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2012年のゴールデンウィークはこれまでで最も会社を休めない日程で、
当日も急に呼び出されるギリギリのところをなんとか電話対応のみで乗り切り、
無事に休みを確保できました。(まじでやばかったー)

晴れて、KANさんの『弾き語りばったりDL』に参加できた次第です。

レポというほどではありませんが、
雑感を書き連ねて記憶から記録に変えておきます。

私が見た座席は1F15列中ほどで、音楽を聴くにはちょうどええ感じ。
チケットを譲っていただいた方に、改めてお礼を申し上げます。
当日は日程が自分にとって奇跡的に代休に当たって、
内心ほっとしていましたが、 実際のところ、空席がちらほら出て、
都合がつけられない方も多かったのかな?と思いました。

2011年の「昭和音大管弦楽団」とのコンサートに続き、今年も上品系な5月1日。
今後毎年5月1日はやや上品な感じのライブが組まれることが恒例になったら、
それはそれで嬉しいですけど、アレンジするKANさん自身も、
GWど真ん中の都合をつけるファンのみなさんも、
結構大変になるのでしょうね(笑)

幸い、6月26日に大阪での再演も決定しましたので(ぱちぱちぱち)
まだ見られていない方は是非この上品な抱腹絶倒ステージを、
五感で体験されることをオススメします。

というわけで、ここから先はネタバレになりますので、改行をはさんでお送りします。

続きを読む "<KAN>PLATINUM LIVE 2012『弾き語りばったり DL 〜Col Quartetto Da Quano〜』東京公演レポート(ネタバレは改行のあとで)"

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今回もKANさんのデビュー25周年記念ってことで
「改行25連発」をお届けしました。

オープニング

開演は18:05くらいだったでしょうか。
如何にも上品なコンサートであることを象徴するような
ゆったりとしたピアノのメロディが場内に流れているところに、
どこからともなくアコースティックギターを掻き鳴らす音が。

ほどなくして下手から燕尾服姿のKANさんが
ギターを抱えてギターを掻き鳴らしたまま登場。
ステージ中央のマイクスタンドまで歩みます。
ちなみに今回は弾き語りばったりモードなので
ピアノは下手側に置かれています。

そして今回のある種主役とも言うべき
桑野聖さん(violino)
藤家泉子さん(violino)
渡辺一雄さん(viola)
堀沢真己さん(violoncello)
のクヮルテットがそれぞれの楽器を持ち、
KANさんの右側に並びます。(左右の表現は全てステージに向かってます)

01. Norwegian Wood(ノルウェーの森)/ビートルズカバー

KANさんはこの曲の邦題を「ノルウェーの木」(複数形じゃないから)と
呼んでいるそうです(笑)。
ご挨拶代わりの1曲。
かつてFM802『MUSIC GUMBO』の「POP THE MUSIC」というコーナーで
KANさんが桜井和寿さんと作った『ノルウェーの森』を思い出します。
もちろんこの曲をイメージして作られたものなので当然なのですが。

◇◇◇◇◇

曲が終わると全員一旦ステージ袖に下がります。
次はKANさんが・・・登場・・・ですが手にもっているのはそう、violino。
いったい何を弾くのかな?と思っていたら・・・いや、もうみんな気づいてるんですが
これはいわゆるアクセサリー。
弾かずにピアノの椅子の後ろにスタンドがあり、そこに立てかけて置きました(笑)。
以降、最後の挨拶までこのバイオリンはずっとこの位置なのです。

ピアノ弾き語り

ここからはKANさんオンリーのピアノ弾き語りタイム。
通常の「弾き語りばったり」コーナーとでもいいましょうか。

02. 何の変哲もないLove Song

今までにこの曲はイントロがあったりなかったり、いろんなパターンで
演奏されましたが、今回はまた新しいイントロが付いていました。
歌に入ったあとはいつもとほぼ変わらず、
多少崩した感じのピアノアレンジでした。

03. まゆみ

公演開始前は「まゆみ」は間違いなくクヮルテットと共に演奏されると
思い込んでいたので、ピアノ弾き語りでの演奏はやや意外でした。
マジカルミステリーツアーなところとか、この構成で聴いてみたかったのですが、
昨年の昭和音大管弦楽団との共演で1曲目に
チューニングからシームレスに入るという
サプライズで幕を開けていることから、
アレ以上の演出を加える必要があり、逆に
今回はピアノ1本で差を付けることになったのかな、とも思います。

◇◇◇◇◇

また、今回のコンサートでは、KANさんは終始
ピアノを弾いている間は歌詞を見るためにメガネを掛けていました。
そして、挨拶するときやMCのとき、センターで歌うときなど、
ピアノから離れるときはメガネを外していました。
今後、弾き語りばったりのときはこういうスタイルになるのかもしれません。

◇◇◇◇◇

ここでMCが入ります。
MCは全てニュアンスですのであしからず。

ゴールデンウィークの予定を敢えて避けてこのコンサートに来てくれて
ありがとうございます、と言ったあとで「こんばんは、夏木マリです」。
(夏木マリさんは翌日5/2の公演です)

「DL(Di Lusso:ディ・ルッソ)」がデラックスの意であることなど、このコンサートの説明のあと
演奏した3曲の曲紹介。「ノリノリのディスコビートをお送りしました」。

このコンサートの準備が大変だったというお話も。
「昨年の昭和音大のときは楽器の数が多いからアレンジに頭を使いすぎてハゲるかと
思いました、大丈夫でしたけど(笑)。
今回のアレンジは、それよりは楽器の数が少ないので大丈夫だろうと
思っていたら、ミニマムもマックスも楽器数が4なので昨年とは全然違って
これはこれで大変で、頭を使いすぎてハゲるかと思いました。大丈夫でしたけど(笑)。」

「ゆっくりくつろいで」と言いたいところだが、「神経尖らせて真剣に聴いてください」
と言ってました。はい、会場はそう言われなくても十分神経尖らせて聴いてます(笑)。

クヮルテットとともに

まず、チェロの堀沢さんだけを呼び込んで、紹介。
静かに演奏に入ります。

04. 君を待つ

曲紹介で「日本の四季を歌った曲」と言われていました。
この曲の表現手法ですごいなあ、と思ったのは、
普通なら「四季」なんだからチェロだけじゃなく他の楽器も入れて、
かつ、最初から「春・夏・秋・冬」全てにバリエーションつけて・・・というのを
想像しちゃうところを、1コーラス目まではピアノ弾き語りオンリーで
間奏から初めてチェロが寄り添う、という点。
つまり、「春」「夏」はピアノ弾き語りオンリー。
チェロと一緒に奏でていたのは「冬」と「翌春」だけなのです。
エンディングの最後は堀沢さんの超低音一本線。
チェロならではの心地よい振動が体内に伝わってきます。

今回のKANさんの各楽曲の繊細なアレンジには
こういった、クヮルテットを無駄遣いしない部分が随所に出てきて
そのたびに唸らされたわけです。

◇◇◇◇◇

ついにここでクヮルテット全員を呼び込みます。
格調高いコンサートにするためにイタリア語を使っている、と。
「Quano」は「桑野さん」と意の造語で、
思いついたときはKANさんが自分でハマっていたそうです(笑)。

05. 世界でいちばん好きな人

昨年の昭和音大管弦楽団との共演ではオープニングの演出として
使われた「チューニングから曲にシームレスに入る」手法を、
今回はこの楽曲で採用。

チューニングをする流れでバッハのG線上のアリアっぽいチェロの
旋律に乗せて、またこれも今までとは異なる前奏が奏でられました。
と思ったらそこから一瞬にして転調し、本当にキーがGに。

歌に入るとストリングスはまたしばらく「がまん」の展開。
1コーラス目は静かに待ち、間奏からようやく入ってきて
徐々にその音は盛り上がっていき、2つ目の間奏で最高潮に。

この楽曲の弦楽器が奏でるフレーズは、これまでにオーケストラでも演奏されたし、
「ap bank fes」でも生弦楽器で演奏されましたが、
それらともまた異なる装飾が新調されていて新鮮に聴けました。
ゆりかごで揺られているような・・・いや、なんか違うな、
どう表現したら良いのかなあ。
深い眠りと浅い眠りを繰り返すような・・・いや、やっぱり違うな(笑)。

この曲は主旋律がシンプルでゆったりしているので、
弦楽器のオブリガードがとても活きてきます。
今回もこれまた新しく複雑な副旋律が駆け巡りました。
2つのバイオリンが重なったり離れたりしながら、というのがまた乙です。

KANさんの生弦楽器の編曲作品を聴く機会が増えてきて、
そろそろKANさんの良い意味での「手癖」が随所に出ているのがわかり始めています。
三度の音を敢えて入れず五度の音だけを上か下かに重ねることで
僕が言葉にするのに苦しむような「不完全な心地よさ」を表現しているような、
そんな場面が多用されていたり。

06. 牛乳のんでギュー

KANさんの声で4カウント。
これまでのやさしい感じからは一転し、弦楽器のカッコいいところが
全編に散りばめられ、目にも耳にも魅せる楽曲でした。
今回の「牛乳のんでギュー」、明らかに原曲よりも好きです。音源化希望です!!(笑)
中でも、堀沢さんのピチカート・チェロに乗せた桑野さんのヴァイオリン・ソロ。
最高にカッコよかったです。ソロ後、拍手も起きてましたものね。

牛乳のんでギューといえば、「ブルース」なのですが、
原曲にあるようなブルースノートで重ねるのではなく、
弦楽四重奏ならではのメジャーな音の重ね方をしていたので、
余計に新鮮に感じたのかもしれません。

映画『おかしなふたり』より

ここで、シークレットゲスト・庄司さとしさんを呼び込みます。
すでに告知時点で発表しているのにもかかわらず、
白々しく「誰?ミスターチルドレン?」とか煽ったりして(笑)。
庄司さんが出てきてから、「出づらかったでしょ?」とKANさん(笑)。

◇◇◇◇◇

KANさんのデビュー前の1987年、大林宣彦監督(当日1F中央にいらしてました)から
もらった音楽家としての初めての仕事。映画『おかしなふたり』より3曲演奏。
当時はまだ半ズボンにガーターベルト(笑)の頃の自分を使ってくれたことに感謝。
シンセサイザーだけで作った音を25年経った今、生楽器で人前初演奏。
それにはどうしても必要だったのが庄司さとしさんのオーボエだった、といいます。

映画は尾道が舞台。南カポ(南果歩)さんと
甘いマスクの頃の竹内力さん(物真似で「なめたらあかんぜよ!」ってやってました)
三浦友和さん、永島敏行さん(長嶋茂雄さんの真似してましたけど)が出演。

3曲全部演奏し終わるまで拍手しちゃいけないっていうのをやりたかったそうで、
昨年の昭和音大管弦楽団との共演でも同じようなこと言ってたような(笑)。

私もこれらの曲をちゃんと聴くのは初めてでした。

07. ものくるほしき人々(映画『おかしなふたり』より)

映画のメインテーマといえる曲。
わかりやすいメロディーの中に急にトリッキーな音とコードを混ぜ込んでくる。
この感じは当時からの得意技だったのですね。
庄司さんはイングリッシュホルンを演奏。出身は夕張なのだそうです。
曲調をわかりやすくひとことで説明するとすれば、
ドラクエの気球だとかラーミアだとか、その辺でバックに流れていると
とてもいい感じの曲です。

08. 心の汽車(映画『おかしなふたり』より)

映画の中で、電車が走っているんだけど蒸気機関車の音がする、という
不思議なシーンを題材に。ビオラ・チェロが中心にメロディラインを奏でます。
ヴァイオリンは四分音符で短く刻み続けるので、
わかりやすくひとことで説明するとすれば、ドラクエの城。
・・・なんかここまで書いておいてなんですけど、
全然わかりやすく説明できてないですね(笑)。すみません。

09. 夕子のテーマ(映画『おかしなふたり』より)

昨年の昭和音大管弦楽団との共演では組曲『夢の花 大連幻視行』で
貴和子のテーマ、愛子のテーマが演奏されましたが、今回は夕子。
曲説明のときに、本当はKANさん自身ハープを買って弾きたかったんだけど、
髪が短すぎたために断念してピアノを弾くんだ、と(笑)。
庄司さんはここでやさしくオーボエを吹いていらっしゃいました。
やさしい曲で、ドラクエで言えばシリーズに該当するものがありません(笑)。

それぞれの楽曲は、DVDでまだ買えるところもあると思いますので、
原曲を聴いたことがないかたはこちらで。

私もまだ原曲は聴いたことがありません。

◇◇◇◇◇

ここでせっかくなので桑野さん率いるクヮルテットとのMCコーナー。
それぞれに出身地や趣味などを聴いてました。
ちなみに、各々MC用マイクは用意されていませんので、
各々が持っている楽器を口元に持ち上げ、取り付けたマイクに向かって
喋る、という、これまで新国立劇場では誰もやったことがなさそうなネタで。

・桑野さん:山口県出身、趣味なし。
 →人に言えないような趣味はあるかも?と突っ込まれてました(笑)
・藤家さん:京都府出身(どすえとは言わない)、趣味はアイロンがけ。
 →しわを見つけると「ああ、しわがある!」と背後から近づいていって・・・
   と想像したらそれ危ないやん!っていうKANさんの妄想炸裂してました。
・渡辺さん:趣味は三日三晩考えたが出てこない。熱しやすくさめやすい、と。
・堀沢さん:趣味は麺類食べ歩き。
 →チェロを持ち上げるのが大変そうな様子をオチに持ってきたKANさん。さすが。
   KANさんは美味しい店と呼ばれるお店はちっとも美味しくないので
   最近は夫婦の仲が悪い店とか、バイトをイビる様子を見ながら食べるのが
   いい!とか言ってました(笑)

チャレンジングコーナー

「弾き語りばったり」シリーズといえば、必ず「チャレンジ楽曲」が
1曲存在します。かつては「Songwriter」や「キリギリス」など、
もはや今では常連楽曲となっていますが、今回はワケが違います。

今回は本当にあまり誰もやったことないようなことにトライするのだと。
そこで、シンセサイザーだけで製作した楽曲を生楽器で演奏し、
KANさん自身はステージ中央でノリノリで歌う、という斬新さ。

10. 彼女はきっとまた

そんなわけで演奏される曲は『彼女はきっとまた』。
KANさんのワン、ツー、スリー、フォー!でピアノ抜きで
弦楽四重奏のオープニングスタート。
あまりにノリが良くて、我慢できずに手拍子が始まる客席。
前奏が終わらないうちにKANさんが制止。

「手拍子はやめてっ!アレンジに時間かけて苦労してるんだから、
手拍子なんかで埋めないで!(笑)。真剣に腕組んで聴いてくださいっ」

これ、簡単に言いますけど、原曲を知っているわれわれからすると
勝手に手が動いちゃうわけで、うずうずしちゃって我慢大会に近いです(笑)。
もちろん一つ一つの音も真剣に聴きましたけど、
自然とリズムを取っている自分の手足に、演奏中も笑いそうになりました(笑)。

全編桑野さんの演奏負担を敢えて大きくしているかのような
複雑な立体交差。間奏以降、煌くように瞬くように動き回るバイオリン。
確か、弾いているフレーズが1コーラス目と2コーラス目でも違ってましたよね。
KANさんならではの「二度と同じフレーズが出てこない」というやつですね。
飽きることなく聴けたと同時に、相当演奏者の苦労があったのではないかと
推察しています。お疲れ様です!

長嶋さんの口調で「う〜ん、どうなんでしょう?」や
秋山森乃進の「と、思うよぉ」も見事再現。

クヮルテットとともに・再び

再び通常業務に戻ります。

11. 月海

これもまた、昨年のしんゆりコンサートとは違う旋律の組み立てで、かつ、
新たに書き下ろされた前奏を弦楽四重奏+ピアノで奏でられています。
ただ、ワンコーラス目はピアノ弾き語りオンリー。
弦が入ってくるのはかなり後のほうで、2コーラス目前の間奏からでした。
原曲でもわかる「左右に分かれて追いかけあうイメージ」が、
今回はちょっと形を変えてバイオリン同士のオブリガード掛け合い。
徐々に波が押し寄せてきて、そのまま飲み込まれてしまいそうな感じ。
大サビからラストに掛けて、オーケストラの時とは違って
それぞれの音がはっきりと聴きわけられる状態での
着いたり離れたりの繰り返しは、
KANさんが鉛筆を持って譜面を書いているシーンさえ
想像してしまいそうな涙モノでした。

12. 愛は勝つ

生楽器入りの構成では常連となったこの楽曲。
そもそもの始まりは、NHKの「あなたの街で夢コンサート」で
オーケストラ編成の編曲をKANさん自身が行ったことでした。
それから、バンド編成にもそのときの表現方法が「逆輸入」されたり、
「第九」のフレーズがなくなりながらも面影が残る別のフレーズになったり。

今回も「Carry on〜」からのBメロをクヮルテットがイントロとして演奏。
元々パッヘルベルのカノンと同じいわゆる「王道コード進行」なので、
カノンっぽいフレーズも入り、オーケストラとは異なるこじんまりとした
贅沢な宮廷音楽を聴いているような。

生楽器入りの演奏のときはワンコーラス目はピアノ弾き語りだけで
演奏されることが多かったですが、今回の構成では
ワンコーラス目途中から弦楽器が入ってきました。
印象的だったのは、どのあたりだったか、4拍目と8拍目にアクセントを
付けて刻んでいたところがありましたよね。
印象的だった、という割りに場所を覚えていない、という体たらくですが^^;
力強く、階段を確実に踏みあがっていくような感じが、
「信じることさ、必ず最後に愛は勝つ」という歌詞を象徴しているようでした。

オーケストラ構成の時からずっと引き継いできている
後半にかけて徐々に盛り上がっていく音像。
弦楽四重奏自体、私は今までコンサートで聴いた経験がない初心な人ですが、
たった4つの弦楽器なのに、ここまで豊かな表現ができるんだと、
驚かされた瞬間でした。
こんな簡単な言葉で終わらせたくないですが、
譜面を書き尽くしたKANさんも、演奏された桑野さん率いるクヮルテットの皆さんも、
表現したいものが一致していて、それに向かって努力された結果、
初めて為せる業なんだということを思い知りました。

そして昨年の昭和音大のときと同じ、
高い「E」の音を引っ張って終わる、文字通り筋の通ったエンディング。
気持ちよかったです。

◇◇◇◇◇

再び、スペシャルシークレットゲスト・庄司さとしさんを呼び込みます。
今度はオーボエとオーボエダモーレを手に。

13. キリギリス

「キリギリス」を庄司さんに演奏していただくことになったエビソーダを紹介。
「キリギリス」のオーボエの譜面を書いていくなかで、ひょっとしたら音域が低すぎる
のではないかと気になってインターネットで調べてみたら、「げ、たりない」。
で、少し音域が低いオーボエダモーレを使おうと決めたという話。
庄司さんにダモーレを使っていただくようお願いしたとき、
庄司さんは「通だな」と思われたのだそうです(笑)。

この曲も、オーケストラで演奏するのとはまた異なった雰囲気で
楽しかったです。
管楽器が演奏するパートもバイオリンやビオラでまかなっています。
原曲と同じくらいの楽器数をカバーしているように感じたのだから
すばらしいです。オーケストラが超贅沢な宮廷音楽だとすると、
それよりは小さな部屋で落ち着いて聴いているような感じ。

で、意外だったのは
オーボエダモーレとオーボエを持ち替える箇所はたった1箇所、
終盤も終盤の「人生のテーマです」の部分だけだったということ。
ほっほ〜、確かに、高い音域なのはそこだけだったわ。

どなたかご存知の方に教えていただきたいのは、
この曲、原曲ではティンパニがドコドンって時々鳴るのですが、
ないはずのティンパニの音が聴こえた気がしたんですよね。
チェロでなにかトリッキーな弾き方されていたりしたんでしょうか。
それとも僕の気のせいでしょうか。

この曲が本編ラストの楽曲となりました。
本編ラストにふさわしい、各楽器の良さを体で感じられる楽曲でした。

アンコール

今回も「キリギリス」が終わる前に「この曲で一旦終わります」って
二段階のお別れを宣言したKANさん。
演奏が終わって、KANさんだけが下手からステージ袖に出ます。
クヮルテットの皆さんはその場に残ります。

そして、KANさんは走りだします。そう、イリュージョン。
ステージ後ろの白い幕の後ろを走るのですが、その様子が照明で照らされた結果、
ステージ後ろを懸命に走っている様子(全力ではなくオーバーアクションで)を
客席からシルエットで見ることができる、という初めての試み。
いや、初めての試みっていう意味では「新国立劇場」でイリュージョンする人自体が
初めてだと思うんですが(笑)。

そして、ビオラ・渡辺さんとチェロ・堀沢さんの間の狭いところを「バッ」と抜けて
息を荒げて元のセンターに戻ってくる・・・という。
KANさんいわく、「最近のイリュージョンも3D化してきました」。

◇◇◇◇◇

KAN ONETOPIでも流しましたが、ここで告知がありました。

1つは6/26にサンケイホールブリーゼにて『弾き語りばったり DL ad OSAKA』
の開催が決まった、という話。
大阪から来た方を会場内で挙手して確認。
わざわざ新国立劇場に来た人にとっては「なんだ地元で見れるんじゃん」
ってことになりますが、逆に、6/26は東京からも大阪に見に行けるんだということで、
プレッシャーがかかりました(笑)。
6/26は沢田研二さんの誕生日。
KANさんのお母さまがファンなので忘れられないのだそうです。
桑野さんの髪型がジュリーっぽくて、似てるって言われません?って
いじられてました。

もう1つは10月からの『弾き語りばったり#17』は
なんと、KIR会員からサブタイトルを募集し、
『星屑の隙間に木村基博』のタイトリスト・スキマスイッチ常田さんを
特別審査員に迎え、見事採用された方は、
このツアーの全公演見られるというもの。
交通費は一切負担しないそうです(笑)
そして、特別審査員賞として、スキマスイッチのFC会員になれるという(笑)。

そしてトライセラトップスのライブツアーの金沢・柏両公演に
スペチャルシークレットゲストとして出演することが決定している話も。
今日のシークレットゲスト・庄司さんにもアピールしてました(笑)。

告知を4つするつもりが1つ思い出せなくて3つになりましたけど、
あと1つは7/21のSSK河口湖ステラシアターの話だったのかも?

14. バイバイバイ

この曲は、ぜひ今日この構成で聴きたかったので、大変うれしかったです。
特に、アルバムバージョンではオーボエのオブリガードが物悲しく響きわたる楽曲なので。
ワンコーラス目はピアノ弾き語り、2コーラス目から各楽器が入ってきます。
庄司さんはオーボエとイングリッシュホルンを持ち替えつつ。
あんなに上品に笑ったのに、最後は聴かせ、しんみりさせます。
これだけはKANさんのどんなコンサート・ライブでも欠かせないのです。
このギャップにはいつもの通り唸らされ、最後に満足感でいっぱいにしてくれます。
体操したあとの深呼吸、食事のあとのコーヒー、
お風呂のあとのマッサージ・・・う〜ん、なんでしょう。そういうことです。

終演

公演終了のアナウンス。今回は1イベントでしかないので
最初はタイトル通り読むんだろうな、と思っていましたが、
影アナさん、本当のタイトル以上に長いタイトルを
いろいろイタリア語で言ってましたけど、何て言ってたのでしょう(笑)。

◇◇◇◇◇

いやはや今回も満足度の高いコンサートを楽しませていただきました。
KANさんの声が若干調子悪いかな?と思う場面もありましたが、
それでも、十分に上品で楽しくて素晴らしい調べを堪能させていただきました。
一見堅苦しそうなコンサートも、KANさんの手にかかってしまえば、
新しいジャンルのエンターテインメントになってしまう。

いや、なってしまう、と軽々しく言うもんじゃありません。
そこにいたるまでにはどれだけの構想と準備と協力が必要だったか、
裏では物凄い苦労をされているんだろうなと思います。

KANさんはじめ5人の管弦楽の皆さん、スタッフの皆さんに
相変わらずいつものように重ね重ねくどくどと感謝いたします。
本当に、日ごろの激務のストレスが癒されました。
もし冒頭に書いたとおり、無理やり出社させられてこのコンサートが
見られない、なんていうことになったら、たぶん僕は。

来年の5月1日も、開けられるように努力しますよ!
(あるかどうかもわかりませんけども)


01. Norwegian Wood(ノルウェーの森)(The Beatles/'65)
02. 何の変哲もないLove Song('05『何の変哲もないLove Songs』)
03. まゆみ('93『TOKYOMAN』)
04. 君を待つ('98『TIGERSONGWRITER』)
05. 世界でいちばん好きな人('06『遥かなるまわり道の向こうで』)
06. 牛乳のんでギュー('94『東雲』)
07. ものくるほしき人々('87映画『おかしなふたり』より)
08. 心の汽車('87映画『おかしなふたり』より)
09. 夕子のテーマ('87映画『おかしなふたり』より)
10. 彼女はきっとまた('06『遥かなるまわり道の向こうで』)
11. 月海('98『TIGERSONGWRITER』)
12. 愛は勝つ('90『野球選手が夢だった』)
13. キリギリス('06『遥かなるまわり道の向こうで』)

<アンコール>
14. バイバイバイ('10『カンチガイもハナハダしい私の人生』)

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